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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第155号       ’02−10−04★

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     企業倫理

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●「宗教のお勧めをしているわけでは

 

ない。 私自身はいわば原始的、祖先崇拝型、、」と第121号に書き

ました。 しかも<ご先祖様>として奉る相手は私の父だけ、、 とも。

 

  9月15日が命日。 父の徳を称えて、ではもちろんないが、後に

  それは<敬老の日>となり、来年からは<老人の日>。 3連休に

  するためとかで、<敬老>は別の日になる由。 そんな休んで良い

  のか、と働き者だった我が先祖、首を傾げているだろうな、、

 

しかしそれとは別に、すべてを超えた存在(普通の言い方では<神様>)

を信じております。 ただし<宗教>は、どれも胡散臭い、信じません。

 

  最後は<神>風が吹いて守ってくれるはずだったのにアテが外れた

  あの戦争の記憶から、岸田秀教授の「皇国史観はまさしく誇大妄想

  体系である」(ものぐさ精神分析 p.13)に拍手し、

 

  キリスト教国家アメリカが近頃イスラム国家ないしイスラム系市民

  にしかけていることからは、「キリスト教のあの体系的妄想、、」

  (二番煎じものぐさ精神分析 p.11)を思い浮かべ、、 など。

 

神様も色々、の中で一番のお気に入りは、<神との対話>▼の<神>様。

特に、既成宗教をバッサリ、というところが。 たとえば、

 

  「人間がつくり出した神学は、存在しない狂気の神を説明しようと

   いう、狂気の試みである」 (2-p.81)

 

不安がらせたり罰したり、、 そんなこと<神>がするものか、と明快。

そして「十戒などというものはない」(1-p.129) とも。 耶蘇教信者の

皆さん、これでブッ飛びますな。 愉快!

 

「あれは<神>の言質であって、戒律ではない。 守れとは命じないし、

守らなかったと言って罰するものでもない、、」と。 おや、聞いてた

話とは大違い。 そうか、本当の<神>はおおらかなんだ、、

 

主人公の発する質問も率直だが、そこが<対話>、得られる答えは端的、

しかもユーモラス。 思わず彼、「なるほど、うまいことをおっしゃる」。

すかさず<神>様、「なにしろ神だからね」(2-p.39)

 

悩みを抱えていらっしゃる方には是非ご一読を、と申し上げております。

  ▼ニール・ドナルド・ウォルシュ著 サンマーク出版 1997年〜

 

 

しかし論理的思考技法元講師としてちょっと困るのは、この<神>様が

何より<感情>重視でいらっしゃること。 たとえば、

 

  「感情は、魂の言語だ。 、、 最も深い感情のなかに、最も高い

   真実が隠されている」(1-p.15)

 

  「魂はあなたの感情に語りかける。 、、感情に従うこと。 感情

   を大切にすること。、、あなたの感情、それはあなたの真実、、」

 

という具合。 ですがビジネス世界で<感情>というのは、<感情的>

とか、非理性的状況に関わって出されることが多く、ネガティブな語感

を伴っております。 即ち、むしろ抑えるべきもの、排すべきもの、

 

特に<上>を演じる者においては、とサーモ屋は(社員たちにはその点

あまり評価されなかったけれど)心がけました。 <制御>でメシ食う

身、感情くらい制御できて当然、と。 尤も主人公の懸念はやや別の面、

 

  「だけど、感情を大切にしたせいで、いろいろとめんどうなことに

   なったような気がするんですが」。 

 

<神>様の答えはさすが、「それは成長を<めんどう>だと考え、停滞

を<安全>だと思っているせいだよ」。(2-p.35)

 

つまり、<成長>は面倒ごとではない、<停滞>は安全ではない、、、

つまり、<感情を大切に>して変革して行かなきゃ成長も安全も無い?

 

そうか、<松下さん>(前号)の変革が進まないのも、<感情>をどう

<大切に>するか、の点がうまくないんだな?  など考えていたら、、

 

************

 

 

 

●おお、東京電力よ、

 

汝もか! が発生。 電気という正直この上ないものを業とし、原子力

という危険きわまりないものを扱う人々において何たる不誠実、、

 

いったいどうして? TVに映し出された当事者たちの語り口やボディ・

ランゲジに彼らの<感情>を読みました。 ああ人間、<問題>のもと。

 

9月19日NHKクローズアップ現代<東電・隠された原発トラブル>

をそのまま信じて言えば、東電も<感情を大切に>していなかった!

 

「まずい!」と感じたら、その感情を生じさせた事象に対処することが

<大切>、体制防衛にすり替えるのは間違い、、 が<神>様風なのに。

 

 

放射性危険物を利用する装置、その操作にはどれほど念を入れても入れ

過ぎではなかろうに、<念を入れて操作>したのは点検・補修の記録類。

 

<東電元幹部>の言、「安全に問題なければトラブル報告必要なし、の

風潮。 うまく行っているという報告ばかり上がり、悪い報告は上がら

ない」。 <幹部>がその風潮を改めさせられなかった? ということ

は、遙か<上>が問題、、?

 

「点検・補修作業を受注した会社には記録改ざんを指示し、それに協力

しなければ費用を払わないと迫った。 ヒビは記録から削除、国へウソ

の報告、、」とナレーション。  <下>の一存、ではあり得ませんな。

 

<自主点検請負業者>いわく、「我々が(異変やまずいことについて)

何を言おうが国までキチンと上がって行くか確認しようが無い、言った

としても通らない。 どこかで遮断される」、<上>が握り潰す、

 

そして<何もしない>。 シュラウド(炉心を囲み水流を整える円筒状

構造物)の深さ3センチ、全周16メートルに及ぶヒビを東電は「安全

性に問題ない」と4年間<放置>。

 

<元幹部>、「ちょっと傷があるだけで危ないと言っていたら、いつも

新車でなくちゃいけないという話になる。 外に少し傷が付いていても、

車は動く、要するに<オレたちに任せておけ>。 外から見てオカシイ

と言われても、聞く耳を持たない集団になっていた」。

 

  しかし<全周のヒビ>、あって良いのか? ヒビは<あるべき>な

  のか? まさか!  なら、無視、放置、隠蔽、、は全くオカシイ。

 

*   *

 

緊急炉心冷却装置のパイプにおいては、長さ10センチ余りのヒビ部分

を<止め金>で補強すると同時に隠し、さらに(発覚を恐れてか)黒く

塗って(目立たなくして)3年経過。 そこで国の検査を

 

受けたがその時、検査箇所を<止め金>対向側の半周に限定し、しかも

検査時は<止め金>を取り外しておくという念の入れよう。 以来6年、

計9年間の頬かむり。

 

しかも<国の検査>は、受ける側が素案を提供する仕組み。 何のどこ

を、どういう方法で検査する、は両者了解済み。 国はそこだけを見て、

ほかは見ない。 <学生が自作の問題で受験する>形、合格間違いなし。

 

しかも「傷を治していては運転できない。 報告しなくてもいいや、と

いう気持ちですねえ」。 利益優先で安全もルールも無視、が<東電の

常識>らしい。 かくて番組がまとめた<不正反復要因>、

 

 ・バブル期で電力需要が大きく、 ・原発稼働率の向上が求められ、

 ・トラブル報告の基準は無かったが、 ・公表したくない心理はあり、

 ・専門的知識に固まった閉鎖社会なので、 ・技術的に慢心して

                  「安全判断は自分たちがする」。

 

一生懸命やっているうちにオカシクなった、のだろう、古典的西部劇の

保安官みたい、「ここじゃオレ様が法律だ」。  危険ですなあ、、

 

*   *   *

 

現在我が国の原発は54基、あのJCOのような周辺関連まで含めると

膨大な施設数。 対する検査員、僅か160名。 従って自主点検本位、

国は緊急性の高い問題とは考えていなかった、由。

 

  国の原子力政策に盛り込まれた<安全>とは、正体、こんな程度の

  もの、だったんですな。 多分、<住基ネット>の<安全>も、、、

 

そのため内部告発から2年以上を経てしまったが、原子力安全保安院の

佐々木院長は「現行制度ではやむなし」、平然の感。 <制度>を改善

しよう、とは思わないらしい。 月給ドロボー!

 

保安院審議官(名無し!)も「我々の調査活動2年間の中では事実関係

が明らかにならなかった」と無表情。 <両者了解済み>方式が<調査

活動>なら、<明らかにならな>くて当然でしょうが。

 

  <あるべき姿>を設定した上での「現行制度」だったのか? その

  「制度」、<保安>の MUST、WANT を満たす最適案と言えるのか?

  「160人体制」の実施に際し、PPA的事前準備、したのかね?

こういう輩が<上>を務める保安院(という部署名、不勉強にして今回

初めて知りました)、何とトラブル隠し発覚の3週間前、<安全性評価

報告書>で<妥当>としていた由。 無責任の極み、絶望的。 こりゃ

ほかでも起きるぞ、、

 

果たせるかなこの放送の翌日、東北電力、中部電力もトラブル隠し、の

報道。 これが先進国? ハイテク人種? 正気の沙汰じゃないぜ、、、

 

**********

 

 

 

●その辺を<神>様は

 

  「<正気に戻る>というのは、自分のほんとうの感情に戻ることで

   あって、思考に戻ることではない。 思考は、、理性が作り上げ

   たものだ。 理性が<でっちあげた>ものだよ。

 

   だが感情、それはほんものだ。 感情とは魂の言葉だ。 そして、

   魂こそがあなたの真実だ、、その真実をどう表現するか、それが

   問題なのだ」(2-p.37)

 

  「、、うまく伝えるというのは、はっきりと正確に伝えることだけ

   ではない。 愛情と共感をもって、思いやり深く、勇気をもって、

   完璧に伝えるということだよ」(2-p.37)   とおっしゃる。

 

 

<まずいこと>に遭遇したら「まずい」と感じる。 その感情がその人

の真実、その感情にこそ従うべきもの、と<神>様。 そうせず、保身

に走るのは<理性のデッチアゲ>的思考だぞ。 Rational Process が

そんな<論理的思考>に使われたら、、 こりゃメーワク、、

 

  東電の場合、点検担当者は<保安上>「まずい」と<感じ>、それ

  に従っ(て報告し)た。 が<上>は self-centered、<体面上>

  「まずい」、と(理性でデッチアゲて)隠蔽を図った。 ひどい話。

 

  ライフ・ライン確保を使命とする組織で、そんな反倫理的な人(々)

  がどうして<上>にいられるのか? 倫理感旺盛では昇進できない

  仕組み、なのかも。 そんな<上>のリードで<倫理なき企業>化

  は必然。 その行為は背任的、即ち犯罪、、

 

  だから、たとえば東電、トップ数名の引責辞職? とんでもない!

  隠蔽の十数年間<上>だった全員、揃って一度クサイメシを食って

  頂かなくちゃ。 世の中に<企業倫理>を広めるためには一罰百戒、

  小泉さん、改革しましょうよ。 

 

**********

 

担当者としての企業倫理実践、それは<まずいこと>を「まずい!」と

感じ、<体面>に囚われることなく対処すること。 そのため<うまく、

はっきり伝える>こと。 それには、、 もちろん Rational Process!

早速PA、次にDA、対策実施に先立ってPPA。

 

  たとえ<上>が握り潰しても、資料は残る。 そのうちマシな人が

  代わって<上>に来るかも知れない、その時に役立つかも知れない、、

 

しかし<神>様のおっしゃる<愛情>、<共感>、<勇気>は技法の外。

いわば<あなた自身>の見せどころ、です。 技法はあくまでもツール、

使い手次第。 必要なら<おたすけマン>の活用、ご遠慮なく。

                          ■竹島元一■

     ■今週の<私の写真集から> ★向かい風★

 

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